「おがうち赤大豆の会」設立趣旨

赤大豆で里山を真赤に染める!「おがうち赤大豆の会」の設立は、子供達の未来に楽しく遊べる里山を残するためにスタートした里山環境を守り育てる仲間の集りです。荒れ果てた里山環境、耕作放棄された畑や田んぼを再生、活用し、赤大豆を栽培することで里山全体の復興を目指す取組みです。
広島市北部に広がる山や森を昔の活きた森、健康な森に整備して未来へ繋ぐことを真の活動目的にしています。

人は遠い昔から森から多くの自然の恵みをいただき生活してきました。
・森を通してろ過されたきれいな水。
・森を通して浄化されたきれいな空気。
・森を通して作られる野菜を育ててくれる土。
人は森なしでは決して生きていくことができません。
皆で大事な森、健康な森を再生し守り育てましょう。
まずはこども達の未来に楽しい里山を残す活動から始めています!

 

「おがうち赤大豆の会」の活動内容

子供達の未来に残したい楽しく遊べる里山とは・・・
里山とは「自然環境と都市空間との間にあり、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域」です。里山は水質浄化や土砂災害の防止、大気浄化など人が生きていくためのよりよい環境をつくる機能を多数有しています。

里山の特徴・価値
「里山の保全が大切」といわれますが、一体、里山が持つ価値や特徴はどこにあるのでしょうか。おがうち未来の里山づくりプロジェクトは里山の特徴と価値を次のように考えています。

  • 資源生産
  • 水源涵養・水質浄化
  • 土砂流出・崩壊防止
  • 野生生物の生息・生育環境
  • 都市気候の緩和
  • 大気浄化・緩衝緑地・避難空間
  • 感性・想像力涵養・文化の継承の場
  • レクリエーション・リフレッシュ・交流の場
  • 環境学習の場

①里山は人の手によってつくられた2次林
原生林を切り開き、生活に必要な木に植え替えるなど、人々が利用しやすいように変えてきた山が「里山」です。クヌギ、コナラ、ミズナラ、ケヤキなどの落葉広葉樹、カシ・シイ類などの常緑広葉樹、柿や竹などさまざまな樹が植えられています。かつての里山は、さかんにキノコや山菜などの栽培も行われていました。適切に手入れされている里山の周辺には人間の手によって田や畑、用水池などが作られるとともに、昆虫や小動物などが集まって、人と共生した豊かな生態系が形成されます。

②かつての里山の役割
農村近くにある里山では、昔から落葉や下草の採取が行われてきました。これらは堆肥の原料として用いられたり、家畜用に用いられた後、厩肥とするなど、良質の有機肥料として使われてきました。また、里山から採れる薪や柴は大切な燃料(熱エネルギー源)となりました。これらを燃やした後に残る木灰には、リンやカリなどを含んだ無機肥料となり、農地に施されました。現在もこのように使われている里山も各地で見られます。

③里山の価値喪失
昭和30年代には化学肥料が急速に普及し、同じ時期に燃料革命も起こりました。落葉や下草から作っていた堆肥の代わりに、化学肥料が使われるようになり、薪や柴などの代わりに石油などの化石燃料が使われるようになったのです。これまで人々の生活に不可欠であった里山は、急速にその価値を失ってしまいました。

里山の開発
1960年~70年代(昭和30年~40年頃)の高度経済成長期には、里山は開発の対象となりました。ニュータウンと呼ばれる住宅地やゴルフ場やスキー場に変わったのです。残された里山は放置され、荒廃が進み、さらにはゴミの不法投棄なども発生し、社会問題・環境保全問題となりました。

里山の新たな価値
近年の都市化と過疎化の中で、里山は都市と山村の交流の場として見直されてきています。そして、各地で里山を復活させる動きが活発になってきました。里山の再生とともに、動植物とのふれあいや自然の学習など、里山を子どもたちの環境教育の場として活用したり、炭焼き体験やキャンプ、トレッキングなど森林レクリエーションの場とするケースも増えてきています。このように里山はかつてとは違う新しい価値を持ち始めています。

参考文献・出典:日本林業技術協会【 編】 里山を考える101のヒント